京都・洛西(らくさい)では鵜飼(うかい)を見物できます。
観光名所、嵐山(あらしやま)を流れる桂川(かつらがわ)で、毎年、夏、7月から9月中旬にかけての時期に、ほぼ毎夜、鵜飼は行なわれます。
漁というよりは観光用のショーです。
鵜飼といえば、岐阜県の長良川(ながらがわ)が有名ですが、名曲「長良川艶歌」の歌詞にもある「鵜飼船」や「かがり火」の様子を洛西でも味わえます。
※ 長良川艶歌(えんか)・・・五木ひろしさん歌唱 石本美由起さん作詞 岡千秋さん作曲 1984年
鵜飼というのは、もっぱら潜水して魚を採餌する鵜(ウ)の性質を活かした漁法で、鮎(アユ)を採ります。
鵜飼は大化の改新(西暦645年)以前からあったそうですので、1300年以上の歴史がある、まさに伝統漁法です。
鵜飼では、カワウ Phalacrocorax carbo ではなく、ウミウ Phalacrocorax capillatus が活躍します。
ウミウの方が潜水能力に長けるからだそうです。
鵜飼では日没の頃からかがり火を焚きながら船を出します。
かがり火の下、首に縄をつけたウミウを川に放ち、魚を採らせて、船に引き上げて、飲み込んだ魚を吐き出させて魚を回収します。
ウミウの飲み込んだ魚が胃に達しないように縄の締め具合を適度に調整しているということを聞いたことがあります。
水に放たれたウミウは、水を得た魚ではないですが、ひっきりなしに潜水します。
漁に備えて空腹にさせられているものと思われます。
鵜飼のウ、ウミウ | 魚を吐き出させる |
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ここ嵐山の鵜飼では、10人あまりを乗せた小さな観光船10隻あまりが流れに棹(さお)をさして川に出て、川面に一列に並びます。 その前を鵜飼船2隻が前後して漁をしながら往復します。
鵜飼の行なわれる桂川、渡月橋の上流 | 鵜飼船が観光船の前を通る |
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鵜飼の様子はテレビで何度か見たことがありますが、実際、見てみるといくつか気づくことがありました。
まず鵜飼の音です。
船を操る棹(さお)で、鵜飼船の側面をたたきながら漁をします。
魚を追い立てるためと思われますが、「カン、カン、・・・」と木と木がぶつかる大きな音が谷あいに響きます。
かがり火の燃える様にも風情があります。
かがり火は暗がりに小さく熱く燃えます。
火の粉の散る様には激しさがあります。
「長良川艶歌」の歌詞に「水にきらめくかがり火は誰に想いを燃やすやら」という件(くだり)がありますが、実際、鵜飼のかがり火を目の前にしますと、この歌詞の想いが少しは感じられるのではないでしょうか。
鵜飼のかがり火 |
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※ 鵜飼の様子は、観光船(有料)に乗らなくとも、渡月橋より少し上流の桂川の両岸から見物できます。 岸からでも鵜飼の雰囲気は味わえますが、観光船からご覧になると臨場感があると思います。
< 関連ページ >
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< 参考リンク >
五木ひろし公式ホームページ
10.07.26 N