セキレイ類の趾(足指、あしゆび)は、前趾(ぜんし)3本、後趾(こうし)1本です。 後趾を第1趾と呼び、左足の場合、上から見て反時計回りに、第2趾、第3趾、第4趾と呼びます。 一番外側の趾が第4趾です。
ツメナガセキレイ |
|
ツメナガセキレイは、ほかのセキレイ類と比較して爪(つめ)が長いことから、ツメナガ(爪長)と名付けられたのでしょう。
それを確かめてみましょう。
写真は上から、ツメナガセキレイ Motacilla flava 、キセキレイ Motacilla cinerea 、ハクセキレイ Motacilla alba 、セグロセキレイ Motacilla grandis の足です。
前趾3本の爪の長さと、その爪を除いた趾(足指、あしゆび)の長さの比は、いずれもあまり違いはありません。
一方、後趾では、ツメナガセキレイの爪は、爪を除いた趾よりも長いことが写真から分かります。
ほかの3種のセキレイ類の爪は、爪を除いた趾よりも短いか、ほぼ同じ長さです。
また、これら3種の後趾の爪は下方に湾曲(わんきょく)していますが、ツメナガセキレイの爪はあまり湾曲していないことも特徴です。
キセキレイの爪は長めですので、仮に真っすぐに伸ばしたとしますと、趾よりも長いかもしれません。
ツメナガセキレイの後趾(こうし)の爪は真っすぐで長い(左足) - 左後方から |
|
キセキレイの爪(つめ)(左足) - 左側面から |
|
ハクセキレイの爪(つめ)(左足) - 左側面から |
|
セグロセキレイの爪(つめ)(右足) - 右側面から |
|
この4種のうち、ツメナガセキレイだけがなぜ「爪長」なのでしょうか。 それにつきましてはなかなか難しいですが、かつて紹介しました、ヒバリの爪に近い形態ですので、それが手がかりになるかもしれません。 ツメナガセキレイの生態にヒバリと似たところがあるのでしょうか。 広く開けた、草丈の短い場所で生活していることに起因するのでしょうか。 ヒバリの爪につきましては関連ページをご覧下さい。
< 関連ページ >
ヒバリの足 - 後肢(こうし)の爪(つめ)はまっすぐで長い
調べる "ツメナガセキレイ" ※ ツメナガセキレイのその他の topic はこちらへ
調べる - テーマ別 "蹼(みずかき)・足" ※ その他の鳥の蹼(みずかき)・足はこちらへ
2016.04.29