オオバンの雪上の足跡 - 足サイズと趾(あしゆび)の位置関係

 1月上旬、京都・洛西(らくさい)の桂川(かつらがわ)で、オオバン Fulica atra を観察しました。

 前趾(ぜんし)の幅は1cmほど

 雪に覆われた河川敷に上がって、オオバン10羽ほどが採餌していました。 雪が解け、露出しはじめたイネ科の若い草を嘴(くちばし)でむしり取って食べていました。 近くを通った人を警戒して川へ入りましたが、ここから少し離れたところで再び同様に採餌をはじめました。
 オオバンが採餌していた場所へ近づいてみますと、そこには足跡が残されていました。 写真の右が前(進行方向)で、写真の上が左足、下が右足です。 オオバンの趾(足指、あしゆび)は、前趾(ぜんし)3本、後趾(こうし)1本です。 オオバンの足は、弁足(べんそく)と呼ばれ、指が幅広く平たくなっており、指の一本一本に蹼(みずかき)がついているような形態になっています。 それが見て取れます。
 前趾3本の跡が深くくっきりと残っていますが、その趾1本の幅が1cmはあります。 蹼をいっぱいに広げているかは分かりませんが、少なくともこれぐらいの幅があることがうかがえます。 大人の小指の幅が1cmほどですので、それほど幅が広いことが分かります。 前趾の先端と後趾の先端との長さは約9cmです。

オオバンの足跡。前趾3本の幅は1cmほどもあります。
オオバンの足跡。前趾3本の幅は1cmほどもあります。

 後趾は第4趾の反対に伸びる

 第3趾(前趾の中央)と第4趾(体の外側の趾)の長さに比べて、第2趾が短いことが見て取れます。 後趾は、前趾の中央である第3趾ではなく、一番外側の第4趾の反対に伸びていることも分かります。 後趾にも蹼があるのですが、前趾の跡に比べ、後趾の跡の幅はその半分ほどです。 あまり広げていないのかもしれません。
 なお、オオバンの弁足につきましては、関連ページもご覧下さい。

オオバン
オオバン

※ オオバンの趾(足指、あしゆび)は、一般的に前趾(ぜんし)3本、後趾(こうし)1本です。 後趾を第1趾と呼び、右足の場合、上から見て時計回りに、第2趾、第3趾、第4趾と呼びます。 一番外側が第4趾です。


< 関連ページ >
弁足(べんそく)とは? - オオバンの蹼(みずかき)

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2015.03.02