コサギがカワアイサの追い込み漁に伴走する

 1月下旬、京都・洛西(らくさい)の桂川(かつらがわ)で、コサギ Egretta garzetta とカワアイサ Mergus merganser を観察しました。

 水際を小走りに

 カワアイサ8羽の一団が採餌していました。 一団は岸際を泳ぎます。 それによって魚が岸に追いやられるのでしょう。 そこへ一団は一斉に潜水して採餌していました。
 このカワアイサの一団を追って、水際を小走りに進むコサギが数羽いました。 カワアイサの進行に伴って、コサギが近づけない、やや深みにいる魚が岸に近づくものと思われます。

コサギがカワアイサの一団に伴走する
コサギがカワアイサの一団に伴走する

 コサギは早足でカワアイサの一団に追いつこうとしていました。 厳密には岸に近づく魚に追いつこうとしていたのかもしれません。 カワアイサの接近により岸に近づいた魚がそこへ留まっているのでしたら、カワアイサの一団を追いかける必要はありません。 コサギ自身の接近により魚はまた流心の方へ逃げてしまうことが考えられます。 カワアイサに追いやられ、一瞬、岸に近づいた魚しか採餌できないのでしょう。
 カワアイサの進む水面に比べ、岸際には枯れ草や大きな石など、障害物がところどころにあります。 コサギは早足でしたが、これらのせいか、カワアイサに遅れがちでした。
 カワアイサの方からしますと、せっかく岸へ追いやった魚がコサギにより、再び流心に戻されるわけですから、コサギを引き離そうと、コサギよりも速く泳いでいるのかもしれません。


 カワアイサ1羽でも魚は逃げる

 2月上旬、同じ桂川でカワアイサに伴走するコサギがいました。 岸際を泳ぐカワアイサは1羽でしたが、それでも魚が岸に近づくのでしょう。 コサギ1羽が早足で伴走していました。
 はじめ、このコサギはカワアイサに伴走していましたが、岸際の水深が深くなり、カワアイサに遅れはじめ、ついには止まってしまいました。

コサギがカワアイサ1羽に伴走する
コサギがカワアイサ1羽に伴走する


< 関連ページ >
ダイサギがカワウの追い込み漁に群がる
調べる "コサギ" ※ コサギのその他の topic はこちらへ
調べる "カワアイサ" ※ カワアイサのその他の topic はこちらへ
調べる - テーマ別 "採餌行動・えさ - 水辺の鳥" ※ その他の鳥の採餌行動などはこちらへ

2014.03.10