2月上旬、京都・洛西(らくさい)に、シベリアジュリン Emberiza pallasi が飛来しました。
ひざ丈ほどの、枯れた草地に1羽いました。
夏羽への換羽を示唆する黒い部分が胸にありますので、おすの冬羽のようです。
一見、オオジュリンやコジュリンの冬羽に似ていますが、この2種は背や腰など、体の上面に赤褐色みがあります。
シベリアジュリンの冬羽はそれらに比べて全体に淡く、以下のような特徴があります。
脇に縦斑がほとんどない。
腰の色が淡い。
シベリアジュリン Emberiza pallasi 。脇はほとんど無斑で、腰の色が淡い。 |
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換羽や、性別、個体差などによっては、別種でも、羽衣が似ている場合もあります。
シベリアジュリンの特徴で、羽衣にくわえて、注目すべき点は嘴(くちばし)の形態です。
横顔で、上嘴(じょうし)の上辺、下嘴(かし)の下辺が直線的である。
下の写真は、オオジュリン、シベリアジュリンのそれぞれの横顔です。
オオジュリンの嘴では、上嘴は上に、下嘴は下にそれぞれややふくらみがあり、嘴が太く短く見えます。
一方、シベリアジュリンの嘴は上嘴、下嘴ともに直線的で、嘴が細く尖(とが)って見えます。
オオジュリンの嘴は、やや硬いものも割って食べるイカルなど、アトリ類の嘴の形態に近いといえます。
ヨシなどを割ってカイガラムシ類を食べることからも、それがうかがえます。
シベリアジュリンの嘴はそれよりも細く先の尖った形態ですので、オオジュリンの嘴よりは、ピンセットのように何かをつまむことに適しているといえそうです。
オオジュリンの嘴(くちばし) | シベリアジュリンの嘴(くちばし) |
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シベリアジュリンはユーラシア大陸の北東部で繁殖し、中国の中南部などで越冬することが知られています。 日本では冬鳥または旅鳥としてまれに観察されるようです。
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10.02.12 N