今回から逆立ち採餌するカモの水面下の様子を数回に分けて紹介します。 初回はヒドリガモ Anas penelope です。 ヒドリガモをはじめ、マガモ、オナガガモ、オカヨシガモなどのカモ類は水面で逆立ちしながら採餌することがよくあります。 この際、水面から出ているのは尾部のみです。 これらカモ類の採餌する水域の水が澄んでいることはあまりなく、しかもカモの上方から観察できることもほとんどありませんので、水面下の様子を観察する機会はほとんどありません。 とは言いましても、おそらく水底に向けて首をのばし採餌しているものと想像できます。
12月上旬、京都・洛西(らくさい)の桂川(かつらがわ)で逆立ち採餌するヒドリガモを観察しました。
ヒドリガモは顔を水面の方へ向けて泳いだあと、逆立ちします。
水面越しに水中をのぞき込んで、えさの場所や水深の見当をつけてから、逆立ちしているものと思われます。
10秒足らず逆立ちしては水から顔を上げることを繰り返していました。
水中では想像通り、やはり首を水底に向けてのばしていました。
首はいっぱいにのび切っていることがほとんどでしたので、届くか届かないかのぎりぎりの深さにあるえさを食べていたようです。
逆立ちの際、足をのばし、時折、足でさかんに水をかいていましたが、これはバランスを取りつつ、少しでも嘴(くちばし)をえさへ近づけようとしていたものと思われます。
ここより浅い場所にある食べやすいえさはすでに食べ尽くしてしまったのかもしれません。
水面越しに見える水底の様子や、水中での嘴(くちばし)の動き、顔を上げた際の嘴(くちばし)からはみ出しているえさなどから、おそらく水底に生えているオオカナダモを食べていたものと思われます。
水底に首をのばして採餌するヒドリガモ |
|
水底に首をのばして採餌するヒドリガモ - 拡大 |
|
えさを探すヒドリガモ |
|
※ オオカナダモはトチカガミ科の水草で、南米、アルゼンチン原産の帰化種です。 めすの株とおすの株がある雌雄異株(しゆういしゅ)ですが、おすの株しか日本にはないそうです。
オオカナダモとその花(08.07.26 京都市 鴨川) |
|
< 関連ページ >
逆立ち採餌するカモの水面下では - マガモ
逆立ち採餌するカモの水面下では - カルガモ
逆立ち採餌するカモの水面下では - オナガガモ
調べる "ヒドリガモ" ※ ヒドリガモのその他の topic はこちらへ
調べる - テーマ別 "採餌行動・えさ - 水辺の鳥" ※ その他の鳥の採餌行動などはこちらへ
10.01.04 N