7月から8月にかけて、京都・洛西(らくさい)の市街地で、スズメ Passer montanus を観察しました。
片側一車線の道路の交差点です。 ここには交通信号機が設置され、日中、自動車・歩行者・自転車の往来・停止が絶えません。 改めて交差点の上を見てみますと、道路に沿って線が何本も張られています。 その中に黒い筒が設置されている線があります。 この筒の上には、筒とは十字にもう一本の線が交差していますが、何のための筒かはよく分かりません。 その筒の中でスズメが営巣していました。
スズメが営巣していた、交差点の線 |
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スズメが営巣していた筒 |
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7月下旬、その筒の中へ枯れた枝を何度も運び込んでいました。
筒の底のすき間からは、端から端まで枝が少しずつ突出していました。
出入りは、もっぱら筒の片側(写真では左側)からでしたので、筒の反対側まで巣材を詰めているようです。
8月上旬、親鳥が出入りしていましたが、頻度が少なかったですので、抱卵しているようでした。
その後は観察の機会にめぐまれず、幼鳥が巣立ったか否かは観察できませんでした。
スズメが巣材を運び込む |
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市街地でよく見かけるスズメの営巣場所は、屋根の下などの住宅の小さなすき間や、電柱に直接設置されている金属の筒(腕金 うでがね)などですが、このように空中を横断している線の途中でも構わないようです。
この筒がいつ頃から設置されていたかは正確には分かりませんが、電線がはりめぐらされてからのことですから、そう遠い昔ではないでしょう。
これが設置された頃から、全国のとこかでは利用しはじめたのでしょうか。
鳥は人の作り出した新たな構造物を利用して営巣をはじめます。
これまでにない、高さ・位置などでも営巣できる柔軟性があるようです。
これからも新たな場所を見つけて営巣するのでしょう。
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2024.01.06