チョウゲンボウの貯食(ちょしょく) - その保存場所

 3月上旬、京都・洛西(らくさい)の田んぼで、チョウゲンボウ Falco tinnunculus を観察しました。

 あぜの上の

 チョウゲンボウのおすの若鳥があぜに止まっていました。 嘴(くちばし)に小鳥をくわえています。 周囲に顔を向けながら、小鳥を足先でおさえたり、くわえたりして、落ち着きません。 しばらくして飛び立ち、数mはなれたあぜに止まりました。 同じようにしばらく周囲をうかがったあと、飛び立ち、数mはなれた、草に覆われたあぜに下りました。 そこで小鳥をくわえたまま、草の中に頭をうずめたあと、元の姿勢に戻り、すぐに飛び去りました。 この時、小鳥をくわえていませんでしたので、草の中に小鳥を置いたようです。

チョウゲンボウが小鳥をくわえたまま、あぜ上で周囲をうかがう
チョウゲンボウが小鳥をくわえたまま、あぜ上で周囲をうかがう

チョウゲンボウが小鳥を置いたあぜ
チョウゲンボウが小鳥を置いたあぜ

チョウゲンボウが小鳥を置いたナズナの株の根元
チョウゲンボウが小鳥を置いたナズナの株の根元

チョウゲンボウが貯食した小鳥。尾の部分と脚です。
チョウゲンボウが貯食した小鳥。尾の部分と脚です。

 少し背の高い草の下

 そこへ近づき、見回しましたところ、小鳥が置かれていました。 あぜには、地面を覆うように、丈の低い草が生えています。 そこから突出してナズナが一株、生えています。 その根元に小鳥は突っ込まれていました。 地面を覆う草の中ではなく、それよりも少し背の高い草の下で、少しでも陰になるような所に置いたようです。
 小鳥はスズメでした。 頭と翼(つばさ)はありませんでした。 すでに食べたか、はずしてしまったのでしょう。 残りを保存したようです。
 このように捕まえたえさを、のちのちのために保存しておく行動のことを「貯食(ちょしょく)」と呼びます。


< 関連ページ >
調べる "チョウゲンボウ" ※ チョウゲンボウのその他の topic はこちらへ
調べる - テーマ別 "採餌行動・えさ - タカ類" ※ その他のタカ類の採餌行動はこちらへ

2018.03.26