12月下旬、京都・洛西(らくさい)の小さな川で、オオバン Fulica atra を観察しました。
一般に、蹼(みずかき)のある足と言いますと、カモ類やカモメ類などのように、趾(あしゆび)どうしが指先までみずかきでつながっている足を想像します。
オオバンの足にもみずかきがあるのですが、そのような形態ではありません。
前趾(ぜんし)、つまり前になる三本のそれぞれのあしゆびに広いみずかきがあり、あしゆびどうしはつけ根でつながっているだけです。
このような足を、「弁足(べんそく)」と呼びます。
オオバンがこの弁足で水をかく様子が、水が澄んでいたため観察できました。
オオバンは足を交互に前後させて水をかきます。
オオバンが足を前後させて水をかく |
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水をかく、すなわち、足をうしろにける時、各あしゆびのみずかきが広がっています。 みずかきで水をとらえている様子が見て取れます。
オオバンの、蹼(みずかき)が広がった足先(左足) |
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一方、水をかいた足を前に戻す時、各あしゆびのみずかきが閉じて、足先が鎌(かま)のように折りたたまれています。 水をかく時に比べ、ずいぶん水の抵抗が少なく、前に戻していることが分かります。
オオバンの、蹼(みずかき)の折りたたまれた足先(右足) |
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水中で扇(おうぎ)をかく時を想像しますと、扇が大きければ大きいほど、水の抵抗が大きくなり、水をかく力が必要となります。 オオバンが水をかく時、一度に三枚の扇をかいていることになります。 各あしゆびのみずかきが広がり、しっかり水をかくには、各あしゆびに力が入っていることはもとより、足全体にも力を入れているものと思われます。
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2017.03.13