11月上旬、京都・洛西(らくさい)の小さな川で、キジバト Anas poecilorhyncha を観察しました。
桂川(かつらがわ)よりもずいぶん細い川です。
その水際には、咲きはじめたミゾソバがそこここに生えています。
キジバトは水際から2mほど離れた岸の枯れたセイタカアワダチソウの茎に止まりました。
そこから平衡を崩しながら綱渡りのように茎を伝って水際へ近づきます。
なんとかくわえ取れそうなところまで近づき、首をいっぱいに伸ばしてミゾソバのつぼみをひとつくわえ取り、それをのみ込みます。
いくつかくわえ取ったあと、ふいに飛び去りました。
ミゾソバのすぐそばに直接飛来すれば、容易に食べられそうなのですが、その周辺は草が深く、近くに止まれそうな場所が見当たらなかったのかもしれません。
キジバトがミゾソバのつぼみをついばむ |
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キジバトがミゾソバのつぼみをついばむ - 拡大 |
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ミゾソバはタデ科タデ属の植物で、水辺や田んぼのあぜに群生します。
葉の先がとがり、基部が耳状に張り出す、いわゆる鉾型(ほこがた)の葉であるのが特徴です。
花期は秋です。
タデには特有の辛味があり、魚の刺身のつまや、またタデ酢など、薬味として食用にされます。
食用のタデは同じタデ科タデ属のヤナギタデのようです。
キジバトはこの辛味を目当てに、綱渡りのようにおそるおそる近づいてでも食べに来たのでしょうか。
あるいは必須の栄養素などが含まれているのかもしれません。
ミゾソバ |
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2016.03.21