12月下旬、京都・洛西(らくさい)の平地の林で、ハシブトガラス Corvus macrorhynchos を観察しました。
街路樹として植栽されたナンキンハゼの木に20羽ほどのハシブトガラスの一団が飛来して採餌していました。
すっかり落葉したナンキンハゼの枝先には白い実がたくさん生っています。
ハシブトガラスは嘴(くちばし)で実をひとつくわえ取ってはそのままのみ込みます。
実のなっている枝をつけ根から折り取るものもいました。
折り取った枝を実に近い部分から足でおさえ、実をひとつずつくわえ取ります。
実の生っている枝からそのまま実をひとつずつくわえ取ろうとしますと、枝がたわんでくわえ損ねることもしばしばでした。
ハシブトガラスの嘴に比べて、実が小さすぎるのかもしれません。
枝ごと折り取り、足でおさえることにより、実の生っている枝がしっかりと固定され、容易に実をついばむことができるのでしょう。
カラスらしい知恵の一面を垣間見ることができます。
ハシブトガラスがナンキンハゼの実(種子)をくわえ取る |
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ナンキンハゼはトウダイグサ科の落葉広葉樹で、中国原産です。 街路樹や庭木として植栽されています。 実の白い部分は仮種皮(かりしゅひ、あるいは、かしゅひ)と呼ばれ、硬い蝋(ろう)質で、種子を薄く覆っています。 この仮種皮を削り取りますと、黒い種子が出てきます。
ナンキンハゼの実 | 削りとった仮種皮(左)とナンキンハゼの種子 |
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2015.02.23