10月下旬、京都・洛西(らくさい)の山地の林で、メジロ Zosterops japonicus を観察しました。
林縁部に数株、生えているクサギの木にはたくさんの実が生(な)っていました。
そこへ数羽のメジロが飛来して実を食べていました。
メジロは枝移りして実の生っている房に近づきます。
実のそばまで来ますと、すぐにまた別の房に移動します。
房に近づくたびに実を食べているものと思いましたが、そうではありませんでした。
この一連の行動をよく観察しますと、実に近づいても必ずしも実を食べていません。
房に近づき、実を嘴(くちばし)でくわえて、引いたり、首をひねったりして実をはずそうとしますが、必ずしもはずれません。
すぐにあきらめて枝移りして別の実をくわえ取ろうとします。
これを繰り返すうちに、実をはずし取ることがあり、ようやく食べることができます。
クサギの実はメジロの口にしては大きく、メジロは目一杯(めいっぱい)に口を開けてのみ込みます。
2、3粒も食べますと、どこかへ飛び去ります。
ずいぶん経ったあと、また数羽が飛来して同様に採餌していました。
メジロがクサギの実(種子)をはずそうとする |
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クサギはクマツヅラ科の落葉広葉樹です。 写真の濃紺の丸い部分が実で、直径6mmほどです。 その周囲の赤い部分は萼(がく)です。 クサギは漢字で「臭木」と書きます。 葉などを裂くと独特の臭気があることに由来します。 洛西では山地の林縁部にぽつぽつ生えています。
クサギの実(種子) |
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2014.12.12