オオジュリンの採餌行動 - 地面に落ちたイヌビエの実(種子)を食べる

 1月下旬、京都・洛西(らくさい)の農耕地で、オオジュリン Emberiza schoeniclus を観察しました。

 開けた地面に下りて

 耕起された休耕田の地面に、オオジュリン10羽ほどが下りて採餌していました。 のちに述べます通り、食べていたのはイヌビエの実(種子)がほとんどと思われます。 少しずつ移動しながら、地面に落ちている小さな実をひとつくわえ取ります。 くわえてしばらく嘴(くちばし)を細かく動かしたあと、次の粒をくわえ取ります。 実の表皮をはがしてのみ込んでいるものと思われます。

オオジュリンが地面に落ちたイヌビエの実(種子)をついばむ
オオジュリンが地面に落ちたイヌビエの実(種子)をついばむ

オオジュリンがイヌビエの実(種子)をくわえる
オオジュリンがイヌビエの実(種子)をくわえる

 元はよく茂った草地

 秋、この休耕田には、イヌビエがまとまって生え、実がたくさん生っていました。 オオジュリンはその頃から飛来して、ここでイヌビエの種子を食べていました。 1月になって、そこが耕され、体がまる見えの開けた場所となりましたが、オオジュリンは引き続き、同じ場所にとどまって採餌しています。
 オオジュリンは、ヨシ原など茂った草地でよく観察されます。 二月(ふたつき)以上、滞在していますが、まだまだイヌビエの実がたくさん落ちていることから、なお、そこにとどまっているのでしょうか。 秋、オオジュリンが飛来する頃に、ここがすでに耕され、開けた場所になっていたとしますと、イヌビエの実がたくさん落ちていたとしましても、オオジュリンは飛来しなかったかもしれません。
 ある鳥が、その鳥をあまり見かけない、意外な環境で見つかることがあります。 離島で見つかる場合のように、一時的にそこに降り立っていることがほとんどと思われますが、このオオジュリンの例のように、その環境の来歴が関係して、そこにいることがあり、それが長期に及ぶこともあるのでしょう。

イヌビエの実(種子) - 11月
イヌビエの実(種子) - 11月

 イヌビエはイネ科の一年草です。 水田や道端などに生えています。 草丈は1m前後になります。 実の大きさは、せいぜい2、3mmです。


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2014.03.14