11月中旬、京都・洛西(らくさい)の桂川(かつらがわ)でツツドリ Cuculus saturatus を観察しました。
クズ、カナムグラなどが生えた河畔の草地でツツドリの幼鳥がさかんに採餌していました。
もっぱらガの幼虫を食べていたのですが、二通りの方法でえさを探していました。
そのひとつが待ち伏せです。
ツツドリは平らな草地のわずかな高みや、途中で折れた茎の先などに止まり、周囲をうかがいます。
しばらくすると、そこから飛び立ち、数mから10mほど先の草地の中に下り、すかさずえさをくわえ取ります。
くわえ取ったえさは、その場で食べたり、飛び立ってはじめに止まっていた位置まで戻って食べたりしていました。
くわえ取るのは、せいぜい体長5cmまでのガの幼虫ですが、着地したところですぐにえさをくわえ取っていますので、ツツドリには、数mから10mほど離れたところから、これらガの幼虫が見えていることがうかがえます。
ツツドリが草地の高みから餌(えさ)を探す |
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いまひとつが移動探索です。 草地の中に下りたツツドリは、跳ね歩いて、数歩、移動しては立ち止まります。 しばらく周囲をうかがうと、再び草地の中を跳ね歩いて少し移動します。 この行動を繰り返すうち、えさを見つけると、すかさずくわえ取ります。 数m先のえさをつかまえるのではなく、もっぱら目の前のえさをくわえ取っていました。
ツツドリが草地の中を移動しながらえさを探す |
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ツツドリはこれら二つの方法でえさを探していました。 どちらかと言うと、待ち伏せ型でえさを探している時間の方が長かったですが、これには、少しお腹が満たされて一休みしていた時間も含まれているのでしょう。
ガの幼虫をくわえ取ったツツドリは、首を振って、幼虫を振り回します。 数回振ったあと、幼虫をそのままのみ込みます。 振ることにより、幼虫を弱らせているものと思われます。 この時、幼虫の内臓がしばしば飛び出していました。 内臓がなくなると、えさとしては量が減ります。 内臓がおいしくないため、捨てていたのでしょうか。
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2014.01.24