【グラフで見る】 鳥類の潜水時間 - カイツブリ類 -
カイツブリ アカエリカイツブリ カンムリカイツブリ

 カイツブリ類の潜水時間を測定しました。 カイツブリ、アカエリカイツブリ、カンムリカイツブリの潜水時間の最大値と平均値とをグラフに示します。
 なお、カイツブリ、カンムリカイツブリは京都・洛西(らくさい)の桂川(かつらがわ)で、アカエリカイツブリは関東の海でそれぞれ観察しました。

潜水時間の最大値と平均値(単位:秒) - カイツブリ類
潜水時間の最大値と平均値(単位:秒) - カイツブリ類

 いずれも20秒以上

 グラフからいずれの種も20秒以上は潜水できることが読み取れます。 特にアカエリカイツブリは40秒以上も潜水できます。 海域でも越冬しているカンムリカイツブリでも30秒以上、潜水できます。
 3種とも潜水して浮上しても、一見、何もくわえていないように見えることが多かったです。 潜水中の行動はよく分かりませんが、つかまえた餌(えさ)を水中でのみ込んでいるか、あるいはえさが見つからず探し続けているものと考えられます。
 カイツブリ類は魚類、甲殻類、昆虫類などの動物性の餌(えさ)を主に食べることが知られています。 観察中、カイツブリ類が魚をくわえて浮上する例が数回ありました。 いずれも何度もくわえ直してのみ込んでいました。 水中でえさをのみ込むこともあるのかどうかはよく分かりません。 水草などとは異なり、これらの餌(えさ)は移動したり、隠れていたりしますので、えさが見つからなかったり、見つけても取りそこねるなど、潜水して必ずしもえさが捕獲できるとは限りません。 したがってカイツブリ類は潜水中、えさを食べているというよりは、えさを探している時間の方が長いものと思われます。 アカエリカイツブリやカンムリカイツブリなど、河川などよりも広く深い海でえさを探す種は、より長く潜水できるのでしょう。

アカエリカイツブリ
アカエリカイツブリ


※ 補遺
 ・潜水行動は、危険回避や巣材採取のために行なうこともありますが、ほとんどは餌(えさ)を捕まえるために行ないます。 ある個体が潜水する場合を考えると、1回の潜水時間は、空気を吸わずに行動できる、その種特有のある程度の限界を基本として、えさの捕獲の成否・水深・個体の齢や性・空腹度などによって決まると考えられます。
 ・各種につき、潜水行動を少なくとも10回は観察、その潜水時間を測定しました。 外見からめす・おすが区別できる種についてはめす・おすそれぞれ10回以上の測定で、値の大きい方で代表しています。
 ・いずれの種も窒息する寸前まで潜水することはほとんどないでしょうから、その種の潜水可能な時間の最大値の測定は基本的に困難と考えられます。 それを踏まえますと、今回の測定結果よりも長く潜水できるであろうということを踏まえておかなければなりません。


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2013.10.04