3月下旬、京都・洛西(らくさい)の桂川(かつらがわ)でヒレンジャク Bombycilla japonica を観察しました。
日本に自生しているヤナギの仲間は10種以上あります。 桂川にもそのうちの何種類かが生えています。 ヤナギの仲間は雌雄異株(しゆういしゅ)です。 すなわち、株によってめす、おすが分かれており、雌株(めかぶ)、雄株(おかぶ)があります。 雌株は雌花(めばな)を、雄株は雄花(おばな)をそれぞれ咲かせます。
ヤナギの雌花(めばな)(罫線の幅は5mmです) | ヤナギの雄花(おばな)(罫線の幅は5mmです) |
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満開を迎えた河畔のヤナギの木に数羽のヒレンジャクが飛来し、その花を食べていました。
ヤナギの花の房をひとつくわえ取ってはのみ込みます。
花を数房、食べますと休みますが、しばらく休みますとまた食べはじめます。
このような行動を繰り返していました。
河畔には雌株、雄株ともあり、いずれも花が咲いていました。
ヒレンジャクはもっぱら雄花を食べていました。
ヤナギは一部をのぞき、虫媒花(ちゅうばいか)です。
すなわち虫が花粉を運んで受粉し、種子が実ります。
雌花も雄花も虫を引き寄せる蜜(みつ)を花から分泌します。
雌花には種子となる部分に栄養が蓄えられていると思われますが、咲きはじめの花ではまだ熟しておらず、雄花より栄養価が低いのかもしれません。
あるいは雄花の花粉が目当てだったのでしょうか。
植物組織の中でも花粉は様々な栄養素を含む部位のようです。
ヒレンジャクがヤナギの雄花を食べる |
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2013.04.22