10月下旬、京都・洛西(らくさい)の田んぼでハクセキレイ Motacilla alba を観察しました。 ハクセキレイの採餌行動と言いますと、地面にいる虫などを歩きながらついばんでいる様子をよく見かけますが、そればかりではありません。
稲刈りを終え、耕されて平らになった田んぼの地面にハクセキレイが1羽いました。
ここでもっぱら、飛んでいるトンボをつかまえて食べていました。
地面でじっとしていますが、嘴(くちばし)をやや上げて、左右方向に少しずつ首を動かしています。
上空を眺めてトンボを探しているものと思われます。
そのうちに飛び立ち、10-20mほど先まで低く飛んで、急な方向転換を何度かしてトンボをくわえると、はじめにいた位置とほぼ同じ場所に戻って来ます。
トンボを何度かくわえ直すと、頭から一気にのみ込みます。
捕まえていたトンボはアキアカネのようです。
10月下旬ですが、まだまだ少なからず飛んでいました。
ハクセキレイが上空を眺めてトンボを待ち伏せする |
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ハクセキレイがトンボをくわえる |
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ハクセキレイはこのような一連の行動を繰り返してトンボを数個体つかまえて食べました。
10-20m先に飛来するトンボを見つけられる視力、空中で急な方向転換を数回繰り返してトンボを追い回すことができる機敏な飛翔など、ハクセキレイの能力は思ったより長けています。
ハクセキレイが元の位置に戻って上空を眺めているのには、理由がありそうです。
トンボをつかまえる場所がほぼ決まっていました。
田んぼと田んぼとの間にある、やや丈のある草が生えたあぜの上空です。
そこを順光で眺めていましたが、これはおそらく偶然ではないでしょう。
トンボを見つけやすいような位置取りをしていたものと思われます。
そのあぜからの距離は15mほどでしたが、これは、トンボを見つける視力と、飛び立ってトンボをつかまえやすい距離とが相まって、これぐらいになったのかもしれません。
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2012.12.10