ムギマキの餌(えさ) - アカメガシワの実(種子)を食べる

 10月下旬、京都・洛西(らくさい)の山地の林でムギマキ Ficedula mugimaki を観察しました。

 目の前に種子がたくさんあるのですが

 アカメガシワの木は数本ありましたが、果実のあまり実っていない木もあります。 その中でこのアカメガシワの木にはたくさんの果実が生っていました。 アカメガシワの果実は棘(とげ)のまばらなウニのような形をしています。 それが割れると、中から3、4個の黒い種子が顔を出します。 多くの果実はすでに開き、生った種子の大半はすでに木に残っていません。 それでも小鳥が食べきれないほどの種子がまだまだ木に残っていました。 そこでムギマキ2羽が採餌していました。

ムギマキがアカメガシワの枝先に止まる
ムギマキがアカメガシワの枝先に止まる

 ムギマキはアカメガシワの枝や、果実のなった房に止まって周囲を見回しています。 そのうち、ふいに飛び立って数十cmほど移動して、枝や房に止まり、種子をついばみます。
 たくさん種子の残っている房に止まったりすると、目の前の種子は食べ放題なのですが、いくつもついばむことはしません。 止まっているところから、飛び立って止まり、そこで多くの場合、ひとつだけ種子をついばみます。 一見、種子はどれも同じように見えますが、熟し具合など、ムギマキにとっては違いがあるのかもしれません。 止まっている間にそれを見極めて、そのおいしい種子だけを食べていることも考えられます。
 ムギマキは数粒食べると、近くの林に隠れてしまいます。 5-10分ほどすると、再びアカメガシワの木に飛来して、同様に何粒か食べては林に隠れることを繰り返していました。 一旦、林で休むことにより、種子が消化するのを待っているでしょうか。

ムギマキがアカメガシワの実(種子)をついばむ
ムギマキがアカメガシワの実(種子)をついばむ

 アカメガシワはトウダイグサ科の落葉広葉樹です。 洛西では山地・平地の林縁部や川原など、開けた場所で低木をよく見かけます。 アカメは「赤芽」で、芽吹きが赤いことから、また、カシワは、古来、カシワのように、葉を食器として利用したことから、この名があるそうです。

アカメガシワの果実と黒い種子
アカメガシワの果実と黒い種子


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2012.11.26