11月中旬、京都・洛西(らくさい)の桂川(かつらがわ)で、オオバン Fulica atra を観察しました。
川の流れの中にある、わずかに水面から露出している流木の一部をめぐって、オオバンとアカミミガメが場所取り争いをしていました。
ここはオオバンにとっては水から上がって羽づくろいなどをする場所として、またアカミミガメにとっては日光浴をする場所として、それぞれ利用されています。
まずオオバンが休息中のところへアカミミガメが上がって来ました。
アカミミガメはじわりじわりと水から上がります。
アカミミガメが上がるにつれて、オオバンは立ち位置を失い、ついには水面に下りてしまいました。
休息中のオオバンにアカミミガメが近づく |
|
オオバンが下りてアカミミガメが休息する |
|
オオバンは、しばらくアカミミガメの周囲を泳いでいました。
そのうちオオバンはアカミミガメのすぐそばに上がりました。
アカミミガメはオオバンの接近にしだいに押しやられ、ついには水面に下りてしまいました。
このようなことをお互い何回か繰り返していました。
そのうち、アカミミガメがどこかへ泳ぎ去りました。
オオバンは嘴(くちばし)でアカミミガメをつつくなど、攻撃や威嚇のような行動は全くしません。
アカミミガメの甲羅の上に上がってもよさそうなものですが、それもありませんでした。
同じくアカミミガメも口でかみついたり、首をのばしたりすることもありません。
いずれも休息場所に足がかりをつけるとじわりじわりと近づいて、これに耐え切れなくなった相手が水面に下りていました。
まさに"冷戦"です。
休息中のアカミミガメにオオバンがじわりと近づく |
|
休息中のオオバンに別のオオバンが近づくと、その個体に対して口を開けて首をのばし威嚇することもありました。 一方、仲よく2羽が上がって休息することもありましたが、場所の狭さから、3羽は上がれないようでした。
休息中のオオバンが別のオオバンを威嚇する |
|
アカミミガメは北米原産の帰化種です。 ペット用に輸入されたものが捨てられるなどして各地で繁殖したようです。 洛西でも桂川やその支流で普通に見られます。 水際の岸に上がってよく日光浴しています。
< 関連ページ >
調べる "オオバン" ※ オオバンのその他の topic はこちらへ
調べる - テーマ別 "動作・警戒・鳴き声" ※その他の鳥の動作などはこちらへ
2012.01.23