7月上旬、京都・洛西(らくさい)の溜め池(ためいけ)でカイツブリ Tachybaptus ruficollis を観察しました。
池の岸際にはヨシが帯状に生えています。
そのヨシに近いところでカイツブリのめすとおすであろう2羽が巣作りをしていました。
カイツブリは水面に浮いた、いわゆる "浮巣(うきす)" を作ります。
このカイツブリの巣はすでにほぼ十分な大きさになっていました。
カイツブリが巣材を巣に運び込む |
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カイツブリは巣のすぐそばから潜水します。
しばらくすると、巣材をくわえて浮上します。
巣には上がらず、体を水面に浮かせたまま、巣材を巣に置くと、再び潜水します。
この一連の行動を繰り返して、巣材を巣に次々に足していました。
時折、1羽が巣の上にのり、巣材をくわえて整えることもありました。
巣材は植物の枯葉や茎のようでしたが、ヨシ際の水中で調達していましたので、おそらくヨシなどの葉や茎であろうと思われます。
カイツブリの巣は、水底から斜めにのびるヨシの茎や、傾いた杭(くい)などを支柱としています。
その茎や杭の水面付近に巣材をのせてゆきます。
この支えがあるおかげで巣が漂流することがありません。
水中に沈んでいる、水分の含んだものを巣材にしますので、巣は沈みそうですが、これも支柱があるため沈みません。
写真の巣は水底からのびる2本ほどのヨシを支柱としているようです。
杭などど異なり、ヨシの強度は水面の波に揺らされるほどです。
このため、巣材をのせればのせるほど、ヨシの茎はたわみ、巣が沈んでいるようで、この巣は、氷山の一角のように、水面から顔を出している部分よりも、水面下の部分の方が大きいように思われます。
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2011.08.01