モズの餌(えさ) - コガマ(小蒲)の穂にコバネイナゴを早贄(はやにえ)に

モズのおす
モズのおす

 1月上旬、京都・洛西(らくさい)の農耕地でモズ Lanius bucephalus の早贄(はやにえ)を観察しました。

 モズは、つかまえたえさを枝などに突き刺したり、引っ掛けたりして放置することが知られています。 これはのちのちのためにえさを確保している行動、いわゆる「貯食(ちょしょく)」と考えられています。 この行動のことをモズの早贄と言います。

 ガマの穂の先に早贄(はやにえ)

 農耕地の片隅におそらくコガマと思われるガマの仲間がまとまって生えているところがあります。 ガマの穂からは綿毛のついた種子が飛びはじめていました。 そのガマの穂の先にたくさんの早贄がありました。 10個体あまりの早贄が見つかりました。 その中には、ガの仲間の幼虫やミミズなどもありましたが、ほとんどがコバネイナゴと思われるバッタの仲間でした。 ミミズは、穂の先にうまく突き刺さらなかったのか、杭に掛けられていました。

 ガマはガマ科の多年草です。 日本ではガマ、コガマ、ヒメガマの3種が知られています。 穂が綿毛のようにほぐれて、綿毛のついた種子が風に乗って散布されます。 写真の早贄に絡みついているのはこの綿毛です。

ガマの穂の先に突き刺されたバッタの仲間(コバネイナゴ) ガマの穂の先に突き刺されたバッタの仲間(コバネイナゴ)
ガマの穂の先に突き刺されたバッタの仲間(コバネイナゴ) ガマの穂の先に突き刺されたバッタの仲間(コバネイナゴ)


ガの仲間の幼虫(下が頭部) 杭に掛けられたミミズ
ガの仲間の幼虫(下が頭部) 杭に掛けられたミミズ



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2011.05.13