12月下旬、京都・洛西(らくさい)の山地の林で、ウソ Pyrrhula pyrrhula を観察しました。
すっかり葉を落とした落葉広葉樹の林でウソ6羽の一団が採餌していました。
落葉して、実だけがまばらに残ったウリハダカエデの枝に止まり、実をついばんでいました。
ウリハダカエデの実には翼(よく)と呼ばれる薄い片があります。
枝に生っているウリハダカエデの実の種子の部分をウソはくわえて枝から実を切り離します。
くわえ採ってすぐに嘴(くちばし)で翼の部分を切り落とし、実をくわえたまま嘴を小刻みにしばらく震わせてから種子をのみ込みます。
嘴を震わせていると、嘴の側面からわずかに何かがこぼれますので、おそらく種子の表皮をはがしているものと思われます。
ウソがウリハダカエデの実をくわえる |
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ウリハダカエデは、イロハモミジなどと同じカエデ科の落葉広葉樹です。
カエデ科の実には翼がついています。
これは種子散布の際に役立つとされます。
実が落下するとき、翼が地面に対して平行に近くなり、種子の部分を中心に風車のようにくるくると回ります。
これにより種子が風に乗って少しは遠くへ運ばれるようです。
ウソが採餌していた枝の真下にはウリハダカエデの実や翼が落ちていました。
いくつかの翼は切り口が直線的でしたので、ウソが切り落としたものと思われました。
翼そのものを切り落としたものと、種子を覆う部分にかかって切り落としたものとがありました。
ウリハダカエデの実(左)と、ウソが切り落とした翼(よく)(右2つ)。 罫線の幅は6mm。 |
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2011.03.11