ヘラサギの採餌行動 - 湖北(こほく)シリーズ 1

 この冬、隣県、滋賀県にある日本最大の湖、琵琶湖(びわこ)の北部、いわゆる湖北(こほく)地方を訪れました。 そこで京都・洛西(らくさい)ではめったに見られない、いくつかの大型種を観察しました。 それらを数回に分けて紹介します。 今回はヘラサギ Platalea leucorodia です。 採餌行動を観察しました。

ヘラサギの嘴(くちばし)
ヘラサギの嘴(くちばし)

 やや大きく開けた嘴(くちばし)を水中に沈め、左右に振りながら前進する

 ヘラサギが腹部が水に触れるくらいの深さの場所で採餌していました。 嘴(くちばし)をやや大きく開け、嘴全体か、頭全体が水没するほどに嘴を沈めて、さらに嘴を左右に振りながら前進してえさを探します。 このとき大またで歩いているのか、どんどん前進する印象です。 嘴をやたらと左右に振る様子や、水底が見えないほど水が濁っていたことなどから、視覚よりは嘴の触覚を頼りにえさを探しているものと思われます。 また嘴を左右に振る動作は、物陰に潜んでいる獲物を広い範囲から追い出す効果もあるのではないでしょうか。

嘴(くちばし)をやや大きく開け、嘴全体か、頭をすっぽりと水に沈めて、さらに首を左右に振りながら前進するヘラサギ
嘴(くちばし)をやや大きく開け、嘴全体か、頭をすっぽりと水に沈めて、さらに首を左右に振りながら前進するヘラサギ

頭を水没させて前進するヘラサギ
頭を水没させて前進するヘラサギ

 ふいに翼をなかば広げる

 ヘラサギがえさを探している途中、ふいに翼を広げることがあります。 写真のように広げ具合が左右で違ったり、方向が様々だったりと、まちまちです。 これはえさに反応してそれを捕獲するためにとっさにバランスをとっているものと思われます。 バランスをとるというよりもえさを捕獲するための懸命の動きと言った方がよいでしょう。

えさに反応してバランスをとるためにとっさに翼を広げたと思われるヘラサギ
えさに反応してバランスをとるためにとっさに翼を広げたと思われるヘラサギ

 なお、今回の観察では何を捕獲していたのかはよく分かりませんでした。 いくつかの文献によりますと、魚を主としてカニ、カエルなどを食べるとありました。

※ コサギをはじめ、いわゆるサギ類はコウノトリ目サギ科ですが、ヘラサギはコウノトリ目トキ科に分類されています。


< 関連ページ >
調べる "ヘラサギ" ※ ヘラサギの仲間のその他の topic はこちらへ
調べる - テーマ別 "採餌行動・えさ - 水辺の鳥" ※ その他の鳥の採餌行動などはこちらへ

09.01.23 N