【連続写真で見る】 オカヨシガモの潜水 - 鳥類の採餌行動

 1月中旬、京都・洛西(らくさい)の桂川(かつらがわ)の岸から10m前後の水面でオカヨシガモ Anas strepera のめす3羽、おす3羽の一群がさかんに潜水していました。 潜水ガモではないオカヨシガモのこの行動を観察しました。

 ドタバタの潜水

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潜水するオカヨシガモ(1/3)
潜水するオカヨシガモ(2/3)
潜水するオカヨシガモ(3/3)
オカヨシガモの潜水


翼を使って潜水するオカヨシガモ
翼で水をかく?オカヨシガモ


カイツブリの潜水では水しぶきがあまり上がらない
カイツブリの潜水
(水しぶきがあまり上がらない)

 左に一連の行動を3枚の写真で示しました。このオカヨシガモの一群は水面を泳ぎながらうつむいていました。 おそらく水中をのぞきこんでお目当てのえさを探していたものと思われます。 そのあと首を水中へくぐらせるようにして潜水していました。 このときやや翼を開いていました。写真の水しぶきの上がりようなども含めて考えますと、首から体を沈めた瞬間に、潜水の推進力をえるために水中ではばたいて水をかいていたものと思われます。

 キンクロハジロなどの潜水ガモはするりと水中に入ってゆきますが、それらに比べて大きく水しぶきが上がります。 参考に尾端が少し見える時点での水しぶきの上がりようをカイツブリの写真で左に示しました。 オカヨシガモの場合の上から2番目の写真と比べると、その水しぶきの少なさが分かります。 それだけオカヨシガモの潜水は抵抗の大きい、潜水性の鳥に比べて労力のかかる、まさにドタバタした潜水です。 それほどまでして食べたいえさがあったのでしょう。

 潜水中は水面に体の一部が出ることはなかったですが、水中での軌跡がうっすらと水面に出てたことから、それほど深くは潜っていないようでした。 潜水時間はほとんどが10秒足らずで、8秒前後がほとんどでした。 キンクロハジロで15秒前後、カイツブリで20秒前後、ミコアイサで25秒前後、それぞれ潜水できることからしますと、その半分以下の時間しか潜れないことになります。 ただし、えさが容易にとれたことからすぐに浮上していた可能性も考えられます。

 潜水行動はキンクロハジロなどと同じように連鎖するようで、1羽が潜水するとそれに続いて次々と潜水していました。

 浮上すると胸を反らしてよくはばたく

胸を反らせてはばたくオカヨシガモ
胸を反らせてはばたくオカヨシガモ

 浮上したあとは水面で胸を反らせてはばたくことが多かったです。 これはぬれた体から水をとばしているものと思われました。 キンクロハジロなどの潜水ガモよりも水がしみ込みやすいのか、または潜水に慣れていないため羽毛がぬれることを嫌っているものと思われましたが、おそらく前者が有力だと思います。

 浮上しても何もくわえていないように見えましたが、嘴を開閉させていることが多かったので、確かに水中で何かを採って食べているようでした。 オオバンに付きまとって、オオバンが潜水して水草をくわえて浮上してくると、それを横取りするオカヨシガモをよく見かけますが、潜水できるのであれば潜水すればいいのではと思いましたが、いかがでしょうか。 それともオオバンのほうが深く潜れてオカヨシガモでは届かない深さにえさがあるときにこのような行動が観察されるのでしょうか。

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07.02.03 N / 07.01.28 N