チョウゲンボウの幼鳥(巣立ちびな) ※めす成鳥との識別のポイント

 5月下旬、京都・洛西(らくさい)で営巣中のチョウゲンボウ Falco tinnunculus を観察しました。
 すでに巣穴にひなはおらず、幼鳥(巣立ちびな)が観察されました。 幼鳥は少なくとも2羽です。 巣穴のあるビルや、その周辺の建物の屋上にじっとしている時間が長いようで、なかなか姿を見せてくれません。 それでも時に建物から建物へと飛行したり、屋上の縁を歩いたりしていました。

 幼鳥(巣立ちびな)とめす成鳥との識別

 今のところ幼鳥とめす成鳥とは、行動からはすぐに識別できます。 巣立って間もないため、幼鳥の動きはたどたどしく、屋上の縁を歩くときにも翼を広げてバランスをとっています。
 一方、外見からでは、幼鳥とめす成鳥との識別は難しいとされています。 しかし、巣立ちして間もない幼鳥とめす成鳥とは、ここで観察しているかぎり識別できています。 概ね以下の4つの識別のポイントがあります。

チョウゲンボウの幼鳥(巣立ちびな) チョウゲンボウのめす成鳥
チョウゲンボウの幼鳥(巣立ちびな) チョウゲンボウのめす成鳥


 ほおのひげ状斑が濃い

 ハヤブサの仲間に特有の目の下のひげ状斑です。 これが幼鳥の方が濃く長いことが写真から分かります。

 胸の縦斑が太く粗く、地色に赤褐色みがある

 どちらも胸から腹にかけて縦に何本も筋が入っていますが、これが幼鳥の方が太く粗いことが写真から分かります。 その地色も、めす成鳥では白っぽいですが、幼鳥では褐色みがあります。

 アイリング(目の周囲)や嘴(くちばし)に青みがある

 ハヤブサの幼鳥でもそうですが、アイリング(目の周囲)や嘴(くちばし)にやや青みがあります。

 頭部の褐色みが強い

 この写真では分かりにくいのですが、目から上の部分、特に頭頂部に強い褐色みがあります。


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2011.07.04 / 10.07.05 N / 07.05.27 N