ウズラ(鶉)が洛西に飛来

 11月中旬、京都・洛西(らくさい)に広がる田んぼでウズラ Coturnix japonica を1羽、見つけました。 おすは体色全体に赤褐色味があるようですので、めすのようです。

 冬にまれに見つかる

 ウズラは1、2年に1回ほどの頻度で、冬にまれに見つかります。 草地などを歩いていると、足元から飛び出すことにより存在に気づきますので、毎年飛来していても見つからないだけなのかもしれません。 11月にはこれまでも何回か見つかっており、ウズラの移動時期である可能性が考えられます。

 飛び立つとそのまま少し離れた草地へ入ってしまうことがほとんどで、なかなか撮影はかなわないのですが、今回は刈田に下りましたのでなんとか撮影できました。 刈田に下りてしばらく伏せていましたが、立ち上がって、とことこと歩いたあと、か細く「ビュー」と鳴くと同時にばたばたと羽音を立てて飛び立ち、再び草地へ入りました。

ウズラが刈田に伏せる
ウズラが刈田に伏せる

 採卵用に飼育、また狩猟用に放鳥

 ウズラは日本では中部地方以北で繁殖し、冬期は南下することが知られています。 一方、採卵用、すなわち食用のウズラ卵を生産するために多数が飼育されています。 愛知県豊橋市(とよはしし)が日本一の産地だそうです。

 いくつかの文献によりますと、日本では江戸時代におすの鳴き声の鑑賞用(延いては鳴き合わせ用)に飼育されはじめたようです。 そのうち卵や肉を食用とするために多数が飼育されるようになり、卵をたくさん産むように品種改良が行なわれたそうです。 現在、採卵用に飼育されているのはこの品種改良されたウズラとのことです。 品種改良されたウズラの外見は野生の個体と見分けがつかないそうです。 古来、狩猟の対象とされて来ましたが、近年、個体数の減少が著しいことを鑑み、狩猟目的の放鳥も行なわれているようです。

 したがって今回見つけた個体はかご抜けの鳥、あるいは放鳥由来の個体の可能性もあります。 草地に潜んでいたことや、近づくと遠ざかったり、刈田に下りて伏せたりなどの警戒心の強さから、野生の個体の可能性が高いように思われますがどうなのでしょう。


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10.01.25 N