ササゴイの繁殖ペアごとの営巣時期の差

 京都・洛西(らくさい)の市街地で、車の往来の絶えない道路に沿って植栽された街路樹に営巣しているササゴイ Butorides striatus を、昨年、お伝えしました。 今年も同じ場所で営巣しており、4ペアが観察できました。 これらササゴイの繁殖ペアの様子を数回に分けてお伝えしています。

 1ペアのみ20日ほど先行

 7月上旬には4ペアのうち、1ペアでひなが巣立ちました。 同じ頃、ほかの3ペアでは親鳥が巣に座り込んでいました。 この3ペアでは、巣の下にフンはほとんど落ちていませんでしたし、そのうちの2ペアでは、前回の観察時にはなかった卵殻片が営巣木の根元に落ちていましたので、抱卵から、卵がふ化して抱雛(ほうすう)へと移行する時期と考えられました。

 ササゴイの巣内での育雛期間は、いくつかの文献によりますと20日ほどですので、1ペアは20日ほど先行して繁殖をはじめたと考えられます。 残りの3ペアはほぼ同時期に抱卵をはじめたようです。 いくつかの文献によりますと、ササゴイの抱卵日数は20日以上のようですので、3ペアは7月上旬からさかのぼって、6月上旬から中旬ころに産卵したものと考えられます。 20日ほど先行したペアは5月中旬から下旬ころに産卵したことになります。

巣立ちをむかえた雛(ひな)
巣立ちをむかえた雛(ひな)


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09.08.21 N