クロジの餌(えさ) - 団栗(どんぐり)を食べる

 4月上旬、京都・洛西(らくさい)の谷あいで、クロジ Emberiza variabilis の採餌行動を観察しました。

 林道に下りて採餌

団栗(どんぐり)をくわえるクロジのおす
団栗(どんぐり)をくわえるクロジのおす

 日が傾き、谷に日が差さなくなった頃、アラカシなどの交じるスギ林の谷あいを通る林道に下りてクロジが採餌していました。 4羽ほどがいたのですが、そのうちの1、2羽だけが林道に下りて採餌、残りは斜面にいました。

 時折、「ツ、ツ、…」と鳴きながら、地面をついばんでいました。 植物の小さな種子をついばんでいるのかと思っていましたが、よく見るとくちばしいっぱいに大きなえさをくわえていました。あとで述べます通り、これらはアラカシの団栗(どんぐり)や、そのかけらでした。 団栗(どんぐり)をくわえて小刻みにくちばしをふるわせてしばらくそれを微動させたあと、丸のみにしていました。

 割れたアラカシの団栗(どんぐり)を食べる

割れたアラカシの団栗(どんぐり)
割れたアラカシの団栗(どんぐり)

 クロジの飛び去ったあとの林道の地面をよく見てみました。 クロジのくちばしのサイズを考えると、えさらしきものはアラカシの団栗(どんぐり)しか落ちていませんでした。 団栗(どんぐり)は直径1cm前後で、いずれも割れていました。 そのかけらもありました。 人や車に踏まれて割れたと考えられます。

 冬季、洛西ではクロジはシイ・カシ林やスギ林などの暗い林床で見られます。 そんなクロジが林道のような開けた場所で採餌していました。 このため、林道上ではえさを容易に見つけられても昼間は明るくクロジが近づきにくいと考えられます。 夕方になってクロジの好む適当な暗さとなり採餌に林道へ現われたものと思われます。

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07.04.28 N