カルガモの産卵時期

 4月下旬、京都・洛西(らくさい)で早くもカルガモ Anas poecilorhyncha の親子を見つけました。 ふ化して間もないひなを8羽も連れためすの親鳥がひなとともに採餌していました。 いくつかの文献などの記載から、産卵の時期を考えてみたいと思います。

カルガモの親子。ひなは8羽。
カルガモの親子。ひなは8羽。

 カルガモが卵を産む間隔は、約1日とされます。
→ 写真のカルガモの親子はひなが8羽ですので、8卵を産むには少なくとも、8日 ・・・ (1)

 カルガモは最後の卵を産んでから抱卵をはじめるとされます。 またカルガモの抱卵日数は約25日ということが知られています。
→ 抱卵をはじめてからふ化するまでの日数は、約25日 ・・・ (2)

 写真のひなはふ化して間もないようです。 ふ化して数日しか経っていないとしますと、(1)と(2)から、
→ 8日(産卵日数) + 25日(抱卵日数) + 数日(ふ化後の日数) = 33日 + 数日

 写真のカルガモの親子を見つけたのは4月下旬ですので、最初の卵を産んだのは、その33日あまり前、すなわち、
→ 3月中旬〜下旬、ということになります。

 産卵時期に幅

 写真のカルガモの場合はこのような春の早い時期に産卵していましたが、カルガモの産卵時期は長く、これより遅い例の方が多いと思われます。 洛西では、5月下旬から6月上旬に田植えが行なわれるのですが、田植えの後、田んぼで抱卵している個体を見かけることがあります。 それを踏まえますと、洛西でのカルガモの産卵時期は、3月中旬から6月上旬ぐらいまでで、個体によってざっと3か月ほどの幅があることになります。


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2011.07.08 / 09.05.15 N