3月上旬、洛西 - 京都府の南西部 - 桂川でシメを観察しました。 葉がのびはじめた河川敷の地面に下りて5羽が採餌していました。 食べていたのはオナモミの種子です。
オナモミの種子は俗に言う「ひっつきむし」です。
下の左の写真のようにいかにも痛そうな刺(とげ)で表面が覆われています。
この刺のある部分は植物学用語では果苞(かほう)と呼び、厳密にはこの果苞の中に種子が入っています。
それが下の右の写真です。
果苞の縦断面とその中の種子です。
中は縦に2室に仕切られており、各室に1個ずつ種子が入っています。
オナモミ類はキク科オナモミ属で、日本ではオオオナモミ、イガオナモミ、オナモミなどが知られています。
写真はオオオナモミで、北アメリカ原産の帰化種です。
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オオオナモミの種子(果苞) | オオオナモミの果苞の縦断面(左)と中の種子 |
地面に落ちた、このいかにも痛そうなオナモミの果苞をシメはその側面からくわえて、嘴(くちばし)を細かく震わせていました。 しばらくするとくわえていた果苞を捨てて別の果苞をついばんでいましたので、中の種子だけを器用に取り出して食べていたようです。 果苞は硬いですので、嘴で果苞をほぐしたあと、舌で中の種子を取り出していたのかもしれません。
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オナモミの種子(果苞)をくわえるシメ |
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09.04.13 N