アカエリヒレアシシギの鳴く声

 9月上旬、京都・洛西(らくさい)の田んぼに、アカエリヒレアシシギ Phalaropus lobatus の成鳥が1羽、飛来しました。
 雨覆や風切羽には、褐色味のある夏羽と、灰白色の冬羽とが混在しています。 後頭から後頸にかけてうっすらと橙色味があります。 和名の由来であります、成鳥夏羽の赤襟(あかえり)の名残です。 これらのことから、成鳥が夏羽から冬羽へ換羽中であると判断できます。

 アオゲラまたはイカルの地鳴きを弱々しくしたような声で鳴く

 アカエリヒレアシシギの成鳥は湛水休耕田の水面を泳ぎながら、また、水に浸かった草地で、草丈の低い、浅いところを歩きながら、さかんに採餌していました。 その間、時に鳴いていました。 アオゲラなどのキツツキ類や、イカルは地鳴きで、「キョ、キョ・・・」または「ケッ、ケッ、・・・」と聞こえる声で鳴きますが、その声をずいぶん弱々しくしたような声です。
 山林ではなく、水田で観察しているにもかかわらず、遠くの方で、アオゲラか、イカルが鳴いていると思い、鳴き声のする方を探してみましたところ、声の主はずいぶん近くにいるアカエリヒレアシシギでした。

 アカエリヒレアシシギは日本では旅鳥です。 春と秋の渡りの時期に海上で群れが見られるようですが、まれにそのごく一部が内陸の水域にも迷い込むことがあるようです。

夏羽から冬羽へ換羽中のアカエリヒレアシシギの成鳥
夏羽から冬羽へ換羽中のアカエリヒレアシシギの成鳥

草地に入り採餌するアカエリヒレアシシギの成鳥
草地に入り採餌するアカエリヒレアシシギの成鳥


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09.10.16 N