京都・洛西(らくさい)では、それまでどこで過ごしているのかはよく分かりませんが、5月下旬〜6月上旬になって田んぼに水が引かれると、タマシギ Rostratula benghalensis が見られるようになります。 タマシギは飛来直後から繁殖をはじめ、9月中旬頃まで次々と巣を作ります。 田んぼの水が抜かれ、稲刈りがはじまるとしだいに数が減り、10月上旬にはすっかりいなくなります。 冬はまれに1羽が刈田などで見られるぐらいです。一体どこへ行くのでしょうか。
9月を過ぎるとその年に生まれた幼鳥の中には換羽(かんう:羽が生えかわること)をはじめる個体が見られます。
いわゆる第1回冬羽への換羽です。
タマシギの幼鳥はおすの成鳥とよく似た体色なのですが、黄色みがやや強い印象です。
幼鳥が換羽して第1回冬羽になると、めすは幼鳥とは全く異なる羽衣(うい)になるので分かりやすいのですが、おすは成鳥のおすとほとんど変わらなくなってしまいますので、それらを区別することは困難です。
第1回冬羽のめすの体色は成鳥のめすに似ていますが、頭部にはほとんど赤みがありません。
また目の周囲のいわゆる勾玉(まがたま)模様は真っ白ではなく、やや黄色みがあります。
一方、成鳥冬羽のめすは、首回りの赤みが薄くなる、雨覆が鈍い色になるなど、成鳥夏羽に比べて全体に色が淡くなります。
めすの第1回冬羽(換羽しためすの幼鳥) | 幼鳥。おす成鳥より全体に黄色みが強い。特に目の周囲。 |
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めす成鳥夏羽 | おす成鳥。幼鳥より目の周囲が白いことが多い。 |
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めすの成鳥冬羽。夏羽より頭部の赤みなど体色が淡い。 |
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