鳥が暑さをしのぐ、すなわち体温を上げずに保つには、
@木陰や物陰で休む
A口を開けて呼気を出す
B水浴びをする
C水に浸かってじっとしている
などの方法があります。
またこれらを同時に行なうことによりさらに効果を高めていると考えられます。
種にもよりますが、水浴びは体を清潔に保つなどの理由で年中行なわれると思われます。
しかし水に浸かってじっとしているという方法は、それを行なう種は限られると考えられますが、とりわけ夏に見られます。
下の写真は、京都・洛西(らくさい)で夏の炎天下、半身浴をするケリ Vanellus cinereus の様子です。
浅い湛水休耕田でしたので、水底に体をべったりとつけているものと思われます。
この姿勢でじっと動かないでいます。
人が夏に海水浴やプールなどの水に入るように、鳥も水に浸かるとさぞかし涼しいのでしょう。
夏には、時に数十羽というケリが湛水休耕田に集まっていますが、その全部がこのような半身浴をしているわけではありません.
せいぜい数羽ほどしかこのような半身浴を行なっていません。
半身浴をしているケリは、カラスなどが近づくとすぐに立ち上がることや、警戒心の薄いと考えられる幼鳥が半身浴をしていることが多いことなどから、半身浴は落ち着かない、危険な姿勢であり、暑い時でも安全が確保されていない限り、このような姿勢にはならないと考えられます。
立った姿勢で周囲を警戒している仲間がいることも半身浴する条件のひとつかもしれません。
半身浴して暑さをしのぐケリ |
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08.09.12 N