ヤマシギの掘った穴(採餌穴)

 12月中旬、京都・洛西(らくさい)で、ヤマシギ Scolopax rusticola を観察しました。

 採餌場所に多数の穴

 ヤマシギは、地面の土や、草・根の間に嘴(くちばし)を差し、上下させて餌(えさ)を探ります。 そこから主にミミズをくわえ取ります。 草の生えている所では分かりづらいですが、ヤマシギが採餌していた、土が露出している地面では、穴がたくさん見つかります。

ヤマシギが嘴(くちばし)を差してできた穴
ヤマシギが嘴(くちばし)を差してできた穴

ヤマシギが嘴(くちばし)を差してできた穴 - 拡大
ヤマシギが嘴(くちばし)を差してできた穴 - 拡大

 長径6.5mm、深さ3.4cm

 これらの穴の直径と深さの測定結果が下のグラフです。 21穴を測定しました。 ヤマシギは数羽で採餌していることもありましたので、複数個体の採餌した穴の可能性があります。 土のかたさや、えさの生息する深さなどによっても異なると思われますが、ここでの結果は次の通りでした。
 穴は楕円形です。 長径が5-8mmで、平均6.5mmでした。 ヤマシギは、くちばしを差して土中を探る際、カクカクとした動きで上下させています。 その時に穴の口が多少広がるものと思われます。
 穴の深さは、2-5cmで、平均3.4cmでした。 いくつかの文献によりますと、くちばしの平均的な長さは約7cmです。 つけ根近くまで入れることもあるようですが、概ね半分くらいというところでしょうか。
 穴は地面に垂直に近いですが、少し斜めに空いています。 採餌行動を見ていますと、前進しながらくちばしをななめに差していますので、そのせいでしょう。

ヤマシギの採餌穴の長径と深さ
ヤマシギの採餌穴の長径と深さ


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2020.08.10