鴟尾(しび)とは?

 洛西 - 京都府の南西部 - にあった、かつての都(みやこ)、長岡京(ながおかきょう)の発掘調査の現地説明会に参加しました。 長岡京は平安京(へいあんきょう)への遷都の前、西暦784年から794年まで、現在の向日市(むこうし)から長岡京市(ながおかきょうし)にかけての地域にあった都(みやこ)です。

 屋根の両端に

 その発掘成果、出土品の中に鳥にまつわる漢字を含んだもの、鴟尾(しび)がありました。 鴟尾(しび)というのは屋根の稜(りょう)の部分の両端につける一種の装飾具です。 都の主要な建物である大極殿(だいごくでん)などの屋根につけられていたとされます。 平安京の建物をイメージして造られた平安神宮(へいあんじんぐう)(京都市左京区岡崎(さきょうくおかざき))の屋根にもちゃんとあります。

出土した鴟尾(しび)の破片
出土した鴟尾(しび)の破片

平安神宮の鴟尾(しび)
平安神宮の鴟尾(しび)

 「鴟(し)」とは

 この鴟尾(しび)の「鴟(し)」というのはトビとかフクロウのことだそうです。 つまり鴟尾(しび)とはトビやフクロウの尾ということになります。 鴟尾(しび)は靴に似ていることから沓形(くつがた)とも呼ばれます。

正面から見ると先の曲がった靴のようです 背面には溝があります
鴟尾(しび)。正面から見ると先の曲がった靴のようです。 鴟尾(しび)。背面には溝があります。



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09.12.11 Y / 08.11.03 Y